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2021年1月29日

program B 2020年度岡山県天神山文化プラザ土曜劇場『THE BEE』

作・演出:原作:筒井康隆~『毟りあい』(新潮社)より~、共同脚本:野田秀樹&Colin Teevan)、演出:楊慶新
キャスト:大森孝介、和田航輔、福島美祐、大本一貴
スタッフ:楊慶新、大森孝介、和田航輔、福島美祐


日時:2021年3月13日(土)13:00-14:00/19:00-20:00  3月14日(日)13:00-14:00/17:00‐18:00
場所:岡山県天神山文化ホール2Fホール  〒700-0814 岡山県岡山市北区天神町8-54
料金:一般:2,000円、学生/障害者/65歳以上:1,500円

program Bは、2020年元日よりスタートした、岡山大学在学中の学生が主体となって運営を行っているプログラムです。従来のやり方や考え方にとらわれない多様な演劇活動に挑戦し、演劇の新たな可能性を一年間模索します。天神山文化プラザ土曜劇場において、岡山初上演となる『THE BEE』(原作:筒井康隆~『毟りあい』(新潮社)より~、共同脚本:野田秀樹&Colin Teevan)に挑みます。遠隔制作、プロセスへの自由参加、演者・観客ともに生身の身体が参加しない、従来の演劇とは異なる形での上演となります。

生身の身体は参加しない公演。
公演当日、舞台上には『役者を表現するモノ』が上演を行い、客席には『観客自身を表現するモノ』が参加します。この『モノ』を通して、参加者一人ひとりが自分自身を表現します。いわばそれらは、様々な人の思い・個性・考え・アイデアそのものなのです。生身の身体がその場にいなくとも、人々の『表現』が『劇場』という場に『リアルタイム』で『集まる』状態は、非常に演劇的であり、『上演』ではないかと私たちは考えます。生身の身体が参加しないまま、劇場を劇空間として仕上げ、上演を行います。当日はオンラインで映像を生配信することも、お客様に実際に劇場に来ていただくこともありません。家やカフェなどお好きな場所から、『生身ではない自分』が劇場にいる、作品の一部となる感覚をお楽しみください。

公演制作プロセス公開。
従来の演劇では観ることの出来ないプロセスの部分について今回は公開します。
通常だと、観客は結果である本番公演を観るだけという受け身のスタンスになります。しかし、今回の公演ではプロセスも上演の一要素と捉え、お客様が自由にプロセスの閲覧・参加を行うことができます。そして、公演当日にはプロセスの参加規模に関わらず、参加者全員を表現する『モノ』が集うという新たな演劇の形になります。

戯曲
・概要 野田秀樹が一年間ロンドンでのワークショップをベースに、アイルランド出身の作家とのコラボレーションで初の英語での書き下ろし作品。筒井康隆の小説『毟りあい』を題材に、原作にはない『BEE/蜂』の要素を加え、2006年にロンドンにて初演、2007年には日本で再演。
・あらすじ 1970年代、東京、新興住宅街。サラリーマンの井戸が家に戻ったとき、脱獄した犯罪者の小古呂によって、六歳の息子と妻が人質にされている。すぐさま警官とマスメディアに取り囲まれるが、傲岸な警部百々山の対応に不信感を抱き、井戸は小古呂の妻の家に向かう。夫への説得を拒絶する妻苛立った井戸は、妻と息子を人質にして立てこもり、小古呂と電話で直接交渉をはじめる。が、事態は暴力的な『儀式』へと転がり落ちていく...小さな部屋で繰り広げられる心理戦。

program Bは、コロナ禍という壁にぶつかりつつも、これからの時代に求められる演劇の形を模索し続けました。その中で、新たな演劇の可能性についての気付きを得ました。
今までの演劇には、身体の参加を前提としていましす。その上、『観る』『観られる』といった固定形式によって成り立っています。私たちの多くは、この固定観念に囚われているのではないでしょうか。この固定観念によって、コロナ禍だけでなく、未来に向けての演劇の可能性が奪われているのではないか、と私たちは考えます。このような固定形式・固定観念を打ち破り、演劇を解放することこそが、新たな演劇にたどり着く為の歩みなのです。この『固定観念の打破』こそが、本公演が目的としていることです。


 岡山にて、program B 2020年度岡山県天神山文化プラザ土曜劇場『THE BEE』が上演されます。どんな舞台になっているのか、興味をもった方は、是非劇場に足を運んでみて下さい。
 お問い合わせは、こちらのメールまで。


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