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2016年6月15日

重力/Note『かもめ』

作・演出:原作:アントン・チェーホフ『かもめ』他 翻訳:神西 清 構成・演出:鹿島 将介
キャスト:出演 稲垣 干城 上埜 すみれ 瀧腰 教寛 豊田 勇輝 平井 光子 邸木 夕佳 山3 敬史
スタッフ:舞台監督:弘光 哲也 音響:林 あきの 照明:南 香織 舞台美術:青木 拓也 衣裳:富永 美夏 宣伝美術:青木 祐輔 演出助手:飛田 ニケ


日時:2016年7月 14日(木)19:00/15日(金)19:00/16日(土)14:00★&19:00/17日(日)14:00★&19:00/18日(月・祝)15:00★
場所:【会場】テルプシコール 【住所】〒164-0001 東京都中野区中野3-49-15-1F【アクセス】JR中野駅南口下車 徒歩7 分
料金:一般前売 3,000円/当日 3,300円/学生割引 2,500円(要予約・身分証)/ペアチケット 5,000円
※ ★の回は、ポストトークを予定しております。
※ 受付開始=開演30分前 開場=開演15分前

 東京の劇団重力/Noteが、公演『かもめ』を上演いたします。
 「"芸術の革新を目指す青年トレープレフは、女優志望の恋人ニーナを主演とした劇を上演するが、その新形式が母アルカージナに嘲笑されたため、中断してしまう。しかし医師ドールンは作品を気に入り、トレープレフに創作を続けるよう助言するのだった。教師メドヴェージェンコに片思いされている娘マーシャはドールンに、トレープレフへの思いを口にする。一方前後してアルカージナはニーナを褒め称え、愛人の人気作家トリゴーリンを紹介。次第に惹かれあっていくトリゴーリンとニーナを横目に、トレープレフは撃ち落としたかもめに自分を重ね、ピストルで自殺未遂をする。やがてニーナはモスクワへ出て女優になることを決意するのだが・・・。"
 芸術の革新を目指す青年、女優志望の恋人、中年の流行作家らが織り成すA・チェーホフの傑作ドラマ『かもめ』。前作『人形の家』『イワーノフ』で、そのあたらしい表現形式が話題となった重力/Noteが、今回8年ぶりに『かもめ』に挑戦します。
 新聞記事・小説・詩・エッセイ・対談など多様なテクストをコラージュして現代演劇を作り出してきた重力/Noteが、どのように読解して上演するのか?近代古典の現在地をぜひご覧ください!
 また関連企画として、《チェーホフ×ロシア料理》と題した吉祥寺CAFE RUSSIAでのキックオフ・ミーティングのほか、サテライト企画として一般市民の参加によるディスカッションなど、社会と稽古場、そして劇場を繋ぐ試みも行います。こうした《小さな公共の形成》を目指す創作プロセスにもご注目ください。」チェーホフの名作をどう演じるか楽しみですね。
 「【演出より】『I Shall Never Return』と言い残されて 『ゆく河の水は絶えずして、しかももとの水ならず』と記した鴨長明には、飢饉や天災に引きずりまわされた己の人生を、ただ無常と評するしかない諦観があったとされている。彼に限らずヨブ記さながらの受難は、国も時代も超えて様々な背景と諸条件を備えて繰返し人びとに襲いかかり、そのたびに私たちは〈世界〉を再解釈し、受けとめ直してきた。イプセンやチェーホフら近代古典の作家たちが、家庭や家族といった繋がりが危機と崩壊を迎えていく様を、なぜ女性たちに受難を負わせながらドラマに焼付けたのだろうか。ノーラは戻ってこなかった。男に残されたのは、奇跡なき空虚だった。ニーナは戻ってきてしまった。男にもたらされたのは、すでに保存された永遠だった。いずれにせよ勝者はいない。これから続くであろう膨大な時間のなかに放逐され、彼らはともに潰えたのだった。これらは私たちの祖先が残してくれた近代の神話であり、男と女がともに生きていくことについての宿題。ところで『二十万年経ったら何にもないさ』と書き記した作家のユーモアを、いささか野暮ったく誤読してみたいと考えている。チェルノブイリや3.11以後の世界を生きる私たちは、少なくとも二万四千年先の人びとまで継承していくシステムを構築する責任を負ってしまった。これは殆どSF的な想像力でしか捉えられない試みだろう。人の一生を遥かに超えた時間的射程と関係を取り続けることが生存条件の一つとなってしまった現在、私たちにとって子供という存在は、重い意味を持つようになっている。愛されない子供たちの戯曲『かもめ』は、いまどう読まれうるのだろう。名作だからOK?勘弁してほしい。漠然と〈永遠〉とされてきた時間を現実的に翻訳していく必要がある時代に、私たちは生きている。〈永遠〉やそれを慈しむことのできた時代には、もう戻れない。こうしたリアリティを補助線に、この戯曲を〈喜劇〉としたチェーホフの想像力をSF化してみる、そんな上演になればいいと思う。鹿島 将介」どんな舞台になっているのか、興味をもった方は、是非劇場に足を運んでみて下さい。
 お問い合わせは、こちらのメールまで。

重力/Noteホームページ


(comituさん、お知らせありがとうございます。)

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